効率化

一人の人間が一生のうちに使う食費を計算してみました。
一日1000円だと仮定して×365日×80年。
=29200000円
意外なことにたった三千万円ぽっちなんですよね。安いですね。家も買えない。
よく食費を削るっていうことを聞きますが、これからみるとそんなことはまともな人はしないほうがいいということがわかります。そういう人はたぶん他のとこ削れるから。
いや大金ではあるんですが、一生分だということを考えると随分少ないなあと思います。年収四百万円の人だったら約八年分です。
八年で八十年分ですから驚きです。


八年働いて後は「若隠居」というのはどうでしょう?なかなか魅力的ではないですか。可能かどうか考えてみましょう。


もちろん人間が生きていくには、いろんな費用がかかります。ライフラインだけでも電気ガス水道代がかかるしもちろん住居の費用も大きい。ほか多数。
しかし
それらの費用は効率化して減らすことが可能です。ていうかカロリー以外の費用は理論的にはほぼゼロにしても生きていけることは確かです。
たとえばホームレス。彼らは電気もガスも水道も使わず、水が欲しければ公園の水道を使い家は段ボールでつくり寒ければ焚き火をしたばこが欲しければシケモクを拾う。これは全部タダです。
しかし悲しいかな問題は、彼らを年収400万で雇うところがないということです。
そのせいでホームレスたちは空き缶広いとかをずっとやっとかないといけなくなる。若隠居できなくなる。
問題はタダにしようとしたところにあります。タダではなく大切なのは効率化です。
効率化は今の時代、情報化、ネットワーク化と同じ意味を持っています。
この方向で考えていくならば行き着く先は、脳しか使わない知的労働とその入れ物以外の意味しか持たない肉体。
つまり映画「マトリックス」のあの子宮であります。
あれは実に効率的な装置です。エネルギーは管を通して運ばれ、肉体は全く動かずに思考だけが移動するわけでエネルギー以外の諸費用がほとんどかかりません。電気代とネット代は高そうですが、住居費もほぼゼロに近いだろうと推測できますし、大したことはないでしょう。


未来それが実現すれば、私たちは8年働いてあとの72年あまり働かないで暮らすことができます。そうなると昔は一生のほとんど働いてたなんて信じられなくなるでしょうね。昔の人は毎日毎日働くことに縛られて本当にかわいそうな人たちだなあ、なんて思うのかもしれません。その未来人たちは無駄な労働に奪われていた自由を勝ち取ることになるわけです。
72年間ずっと続く小さなカプセルの中の自由を。