太宰=深オタク


正直に言うと俺は何もかもうまくいくと信じている楽天主義ではあるものの最近は、死ぬしかない生きていけない死ぬ死ぬむしろ死ねなんて考え込んでしまうことも多くて、もちろん考えるだけなんですが、精神的にすさんでるなあと自分で思うことしきりだった。
それとは全く関係なく、移動用にキヨスクで太宰の人間失格を買って二日で読んだんだけれど、共感してシンクロニシティ的なものを感じてしかし泣くほど感動することもなく人生が変わるほどのきっかけとも感じなかったが、一種の自分への励ましになった。作者が執筆後に自殺してたとしてもだ。
さて解説の作者の簡単な紹介を読んで思ったことだけど↓
人間失格は作者がどの程度かわからないが自分をモデルに書いた話であるのは間違ない。簡単かつ乱暴に言うと主人公が精神的に死んでしまう話である。
小説と作者の経歴を見合せてみるとまあ大体一致する。それで小説のラストの後に当たる彼の話になるけど、彼はもう文学と現実の生活を一致させようとする努力はやめようと決意したらしい。現実に絶望しあきらめて普通のまっとうな人間的生活を送りながら文学の中では理想を描く。
太宰氏らない人にはわかりにくいのでもうちょっというと、太宰は妻もめとってまっとうな生活をしたけどそれは生きるしかばねで、文学を作り続けるためだけのものなんだと、人間としては死んでいて芸術家という動物として生きているだけだったんだそうだ。
普通の人は現実世界につかれてフィクションに逃避するけどたとえば俺なんかの理想は誰かと違って欲にまみれた物だと思うけれど、こういうのがどんどん深まっていくと人間的には死んでフィクションの中でだけ理想を実現させるようになるのだろう。
それはなんか俗でしかもなんの価値もないけれど単純に太宰の精神と似ている。
そういう人が何人かはいるだろうなと思う。
もしかしたらたくさんいるかもしれない。
そういう人はたぶん一般的に見て最悪に重度のオタクだろうと思う。