宇宙のヤバサに比べれば、


宇宙に比べれば俺なんて無に等しい。
だから自分の悩みなんてささやかなことだ。


っていう考え方は、それを持ちだした理由とかイデオロギーに関係なく、間違ってる。


宇宙と自分を比べて自分を小さいと思うとき、視点は宇宙の側にある。つまり宇宙の視点かそれに近い視点から自分を眺めて小さいと言っているわけです。

しかし無限に小さいように見える自分が自分なら、それを考えている自分も無限に小さい自分で自分を小さいと思っているのはその自分のさらに一部である脳でしかないのです。
考える自分と肉体的な自分は同じものです、例えば脳という臓器がないと何も考えられません。
その二つの自分は分離できないから人間はそんな巨大な視点を持つことは出来ません。


これに対する反論として、

  1. 想像力は無限である
  2. 霊の存在

などが考えられますが、
まず、想像力は有限です。
どんな大きなものでも想像できるのだから無限じゃないか、と考える人もいるでしょうが、
それは大きなものを想像しているのではなくて、大きなものを小さくしてそれに大きいという名前をつけているだけでしょう。

例えば宇宙を想像した時、思い浮かべるのはどこかの天体望遠鏡が写した映像とか有名な銀河の渦巻きとか、その他のイメージから作った映像ですが、それは箱庭模型のようなものであって、宇宙を想像しているのではなく、それらしいものを想像して、それに宇宙という名前をつけているわけです。
要するに宇宙という概念を思い浮かべただけで宇宙を思い浮かべたことにしているんです。

だから宇宙と自分の大きさを比べようとした時点でその宇宙は自分の想像力と同じ大きさの宇宙のようなものでしかなくなり、そのために宇宙側の視点の自分とそこから見える自分が同じものだということが起こるわけです。

まあ想像力が有限とはいっても、大きいことには別に異義はありませんが。


霊と肉体は別のものだという考えもありますが、
霊は実証できないので省きます。

(自分以外の視点から世界を見ることは出来ないって言うのは前提です。)