温暖化がグローバル化を促進する

温暖化がグローバル化を促進するのではないか、という話。
文化伝達というものは昔から東西におこりやすくで南北ではおこりにくい。
東西に長いユーラシア大陸ではシルクロードを通って遠くヨーロッパの文化が極東の日本にまで伝わったのに対し、南北に長いアメリカ大陸では南北の文化の交流はほとんどなかったという話を聞く。
ここでひとつ仮説を立ててみる。
「文化が緯線に依存しているから文化交流が東西に盛んで南北には起こりにくいのである。」
という仮説である。
この仮説が正しかったとしても、いかんせん長い注釈が必要だろうことは仕方のないことだが、この話の論拠には「緯度が大きく変わる地域では、違う地域の文化は存続しないだろう。」という部分だけ抽出すれば足りるので省略。

さて緯度が違うことは地上の私たちにとっていくつかの変化として現れる。ひとつは日照時間の長さとその一年を通しての変化率。もう一つはそれにも関連しますが気候、おもに気温だ。
それなのでここで考えられるのは、上記の仮説で緯度の変化が具体的に意味しているものが日照時間の長さと変化率であって気候ではないのか、あるいは気候で日照時間ではないのか、あるいはその両方なのかということです。噛み砕いて言うと文化が依存しているのは日照時間なのか気候なのかあるいは両方かということになるだろうか。
順にabcとする。
aの場合地球温暖化が進行しても、文化は同じ経度で存続する。
bの場合は地球温暖化が進行したとき移動する同じ気候帯にくっついて文化も移動できるほど気候や気温の変化が緩やかでない限り、地域文化は消滅する可能性が高い。
cの場合は、単純に考えれば、地域文化は消滅する。



しかし私たちは上の仮説に反する大きな例を知っている。それが昨今ヨーロッパから発祥した産業革命以降の近代文化であります(それであえて地域文化と書きました)。大量のエネルギーにより気温にも気候にも日照時間にも左右されない文化が東西南北関係なく世界中に広まったのはむしろ必然です。
ですからこの文化は(まさに温暖化の原因でもあるのに)温暖化の気候変動にも左右されにくい。

よってもし仮説が正しくて、bやcの場合。ローカルな文化は失われグローバル化が加速する。