ウィニーは氷山を暴いた。

ウィニー(で感染したウイルス)による情報流出の条件は、ウィニーの入っているパソコンにその情報を入れること、ウイルスに感染すること、な訳です。
ウィニーが業務用のパソコンに入っているわけはないので、その条件が満たされる時、私物のパソコンにその情報を入れたという条件も満たされると言えます。

情報の流出はウィニー以外に以前にもいくつか起こってきていたわけですが、それがウィニーで顕著に現れたということは、
ウィニーが情報を私物のパソコンに入れるという条件からダイレクトに情報流出するという道筋を作ったということです。

またウイルスの性質からしウィニーでもれるような情報はそのパソコンを使用できれば誰でも見ることが出来る状態にあるということも言えます。

ウィニー以前は無防備な私物のパソコンに入っている情報の実態はわかりませんでした。
ウィニーによる情報流出は、いつでも情報流出する可能性があった情報流出予備軍からの情報流出といえるのではないでしょうか。

氷山の推測

さてウィニー(略)による情報流出はすでに氷山の一角というよりは水面下の氷山そのものといったほうが正しいでしょうから、その代わりに統計学的な見方をしてみましょう。
ウィニーユーザーは約30万人です。そのうちウイルスに感染したものが、何人いるのかわかりませんが、セキュリティーと情報に関する認識が甘くて重大な情報流出をする可能性が高い人が、ウィニーで報道されるほど重大な情報流出をした人だとします。
まとめサイトによると2006年の3月15日までの報道された情報流出は約50ですから、そういう人がウィニーユーザーの内の約0.017%ということになります。
インターネット白書によると2005年におけるインターネット利用者は約7000万人ということですので、質的に
ウィニーユーザー≒インターネット利用者
と置けるとすると、
インターネット利用者におけるセキュリティーと情報に関する認識が甘くて重大な情報流出をする可能性が高い人は、
7000万×0.00017=11900
というわけで軽く10000人を超えているということになります。

また、ウィニーを使う人はパソコンに詳しい人が多くパソコンに詳しい人のほうが情報流出しにくいということになると、ウィニーユーザーにおける割合よりもインターネットユーザーにおける割合の方が多くなるのでさらに、重大な情報流出をする可能性が高い人の推定数は増えることになります。
しかしウィニーなんかを使う人は無責任な人が多いとかパソコンに詳しい人は重大な情報を扱うことが多いなどの条件が当てはまれば推定される人数は減ります。
まあかなりアバウトな計算なので鵜呑みには出来ないということなのですが、ウィニー(略)による情報流出から推察できる氷山の全体像として参考に出来るのではないでしょうか。


参考
Winny個人情報流出まとめ
インターネット白書2005